あべみはべ

□死ぬ瞬間にはアナタと共に
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「…、え、あ…阿部??」
水谷君が恐る恐る阿部くんに近づきましたが、阿部くんは首を振りました。
「で、最後だから許してもらおうと思って、さ。オレ。」
「な、何??」
しゃべっているのは阿部くんと水谷君だけでした。
「死ぬんだったら、好きなヤツにちゃんと好きって伝えて、悔いのないようにしてーじゃん。オレが化けて出ても嫌だろ?」
「う、うん、嫌、だな。でも、阿部…?」
「で、さ、みんなにも最後、挨拶しとこーと思って。ま、ありがとな」
「…、え、う、うん。あの、さ、阿部ー…」
「あと、三橋。」
水谷君を不可抗力で無視して、阿部くんは三橋君に体を向けます。
三橋君はびくり。と震えました。
それは阿部くんに対しての脅えではなく、『さよなら』に対しての怯えでした。
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