あべみはべ

□あべねこ。
3ページ/7ページ

夕飯後、三橋は阿部を膝の上に乗せて、居間のソファーで食休みをする。毎日のことだ。
お母さんが食器洗いを済ませて近くへ腰をおろしながら、その様子に少し笑った。
「ほんと、阿部クンは廉にしか懐かないわね」
「オレの部屋で飼ってるから…」
「でも、猫ってお家の中を歩き回ったり、お外へ散歩に行ったり、小さいうちは色々やんちゃしてお家のもの壊したりもするみたいよ?だけど阿部クンは廉の部屋から一歩も出ないのよね。母さんに警戒してるのかしら。」
三橋は阿部を見る。阿部は知らん顔で、体勢を整えて目を閉じてしまった。
「これじゃあ、母さんが餌やろうにも無理だわねー」
「だいじょぶ、オレ、ちゃんと世話する、から」
「はいはい。そろそろお風呂入りなさいよ」
三橋は頷いて、阿部を一撫でした。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ