おはなし

□いつもとおなじ。
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部活が終わり、部室で着替えようかとロッカーに手をかけている時、横をすり抜けて田島がメンバーに「おつーっ」と繰り返す。

「早っ。つーかお前またまんま帰ンのかー」

泉が声をかけたが田島は止まらない。

「んじゃあなーっ。おっつかれーぃ!!」
「ちょ、待て田島っ!」

オレの言葉に前のめりになりながら、田島はなんとか止まってくれた。

体の向きは帰る方角へ向けたまま、顔だけでこっちを見て、オレの言葉を待っているようだ。

「今日、急ぎかー?」
「んー、別にー?」
「じゃあちょっと話あんだけど」
「なに?」
「待てって。阿部ー、カギ頼むわー」

奥の阿部に向って声を投げる。案の定阿部は不機嫌そうな声を出した。

「わりぃ、よろしくな!」

嫌だという意思表示を出される前に畳みかけると、阿部はわざとらしく舌打ちした。了解の意だから気にしない。

「着替えねーの?」
「良いや、メンドクセー。」
「だよなー。」
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