あべみはべ

□死ぬ瞬間にはアナタと共に
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阿部くんは、西浦野球部の同級生を集め、暗い面持ちで言いました。
「オレ、死ぬらしい」
みんなは言っている意味が分かりません。

オレ、シヌラシイ。

花井君が、
「…、何で?」
と尤もな質問を投げました。
その顔はとっても引きつっています。
「何で、って、そーゆー法律だろ。お前らみんな、小学校の頃予防接種とか言って注射打ったよな。そん中で、千人に一人、人を殺すカプセルみたいなモンを注入されるヤツがいる。人間いつ死ぬか分からないからみんな一生懸命真面目に生きましょう、っつう意識を国民に植え付けるための法律だろ。オレはその千人に一人の人間だッたってだけだ」
全員言葉を無くしています。
三橋君と水谷君は、顔を青くしていました。
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