単発。
□データ収集。
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1月4日。
今日から西浦高校野球部は体力作りのためにトレーニング開始です。
学校は来週から。それでも彼らは全員揃って部活登校しちゃう、野球大好き部活大好き球児たちでした。
もちろん部活動時間は夏ほど長く取れません。日が落ちてきたら、終了です。
午後3時には解散になりました。
「水谷、今日誕生日だッてなー!」
「ほい。これ9組メンバーからなー」
「お、おめで とう!」
部活が終わって直後。部室まで走って行った、田島・泉・三橋の三人が戻ってきて、水谷の前で笑います。
差し出されたものを受け取り、袋の中身を見て、水谷も笑いました。かわいらしいキャラクターのケータイストラップでした。
おもいがけずに誕生日プレゼントを貰った水谷は、驚きながらも喜びます。
「うっわッ、まーじで?すげ普通に嬉しいな!ありがとー!」
「さっそく付けろよッ!」
「ん!そーする!マジありがとッ」
4人はとっても楽しそうに笑い合いました。
「つぅかなんで誕生日知ってたの?」
帰り道、花井・阿部も呼んで6人でハンバーガーショップへ寄りました。
その中で思い出したかのように水谷が聞きます。
それに泉が反応しました。
「あ。そーいや三橋、なんで知ってたんだ?」
「へ、」
三橋は口をおおきく開けて、頬張ろうとしたところで止められた形になり、「うぐ」。と呻いたけれど言いました。
「阿部く ん、が、知ってた」
『はあッ?』
三橋以外の4人は一気に阿部へと首を向けます。
阿部はポテトを口に入れながらつまらなそうに言いました。
「マネージャーも全員の誕生日知ってんじゃん。つぅか、」
阿部はごくん。と飲み込んでから続けました。
「オレたぶん、全員の身長・体重・打率言える」
みんなは感心するやら、男にプロフィール覚えられても、と抵抗があるやらで、頷くばかりでした。
そんな中、田島は一人笑いました。
「阿部、三橋のだけかと思った。いろいろ気にしてんの。」
花井が嫌な顔をします。
「おま…やめとけ」
「三橋のはまた別に、1ヶ月ごとの身長・体重も分かる」
阿部は花井を無視し、けろり。とした顔で言いました。
「阿部はもう、三橋より三橋のこと知ってんじゃないかって思うよ…、オレ」
水谷が若干引き気味で呟いたのを、阿部はしっかりと拾います。
「否定はしねーけど。つぅか三橋は自分で自分のこと知らねーんだよ」
「ん、で、も、おれ」
そして三橋が口にいっぱい含んでいたものを、ごくん。と飲み込んでから言いました。
「阿部、くん、の知ってる よ!。」
「何をー?」
「体重は、57きろ、で身長は、171センチ、で。76、66、71、だ よッ。覚えた…!」
みんなが「?」。と首を傾げる中、阿部がにやり。と笑いました。
「測りっこ、し たッ」
三橋は阿部と仲良しとアピールしたかったのだろうけど、みんなからしたら「阿部隆也、キモさの新たな証明」でしかありませんでした。
「三橋のスリーサイズは教えねぇからな」
「てめぇマジ黙れ!!」
あはん☆
水谷誕生日だっつーに…!!
なんでだろ…変な話になった…。
水谷大好きだよ!誕生日おめでとう!!
しかしサイズは適当です。本当に適当です。