おはなし

□大切。
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「オレ、それ…否定できない」
「だよね。だと思った。ん、分かったよー。じゃあね」

それきり、彼女は連絡を寄越さなくなり、オレからのメールや電話に返信はなくなった。

−−−−−

彼女と別れたということが決定的になった(学校で彼女捕まえて決着つけました)その日の夜。

「水谷、どうした?」

一人で落ち込むことがとてつもなく寂しくて、誰かに聞いてほしくて、栄口を呼び出した。
栄口家の近くの公園まで出ていって、そこでオレはブランコに座って、目の前に立った栄口を見上げる。

「なんか、いらないって言われンのってつらすぎねぇ?」

突然オレはそんなことを言った。
のにも関わらず、目の前のこの男はオレよりも寂しそうに笑った。苦しそうに。

「あのさー、」
オレはそのまま、彼女と別れたこと。
彼女には今好きな男がいること。
さらにその好きな男には以前から好きだと言ってもらっていたらしいってこと。
でも、オレを嫌いなんじゃないと言ったこと。
全部を話した。
「オレが、さー、…オレが、ちゃんと好きなのか分かんないんだって。ちゃんと好きって、言ったんだけど、もう無理だった」
ふぅ、と一息ついた。
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