オス受け長編創作
□未来を望む声12【完】
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未来を望む声12
オスカーとカティスは聖地へ帰って来た。
ガロンの事は、確かに流現の意味をなさなかったように見える。
それでも、行って良かったと何故かそう思える。
多分、自分達が行かなければ、ガロンの者は一人として外を知らぬまま終わっていただろう。
(そう、思いたいだけ…か)
自分達のやった事じゃないな、オスカーはそう思った
そう、自分達のお陰なんて思い上がりもいい所だ、ただ…あの時流現したサクリアの意味があってほしくて、無理矢理繋げたいだけだ。
ただ、瞳の奥に炎が見えた時は本当に嬉しく思ったんだ。
「またね、か…」
横でカティスが呟いた。
淋しいような、嬉しくような複雑な表情だった。
「あの坊やはどこまで分かって言ってるんだかな」
オスカーが優しい笑みを浮かべながら言った。
コウが、シャトルに乗り込む時に言った言葉「カティス!オスカー!またあおうね!」
本当に会えるなら、今度は成長したコウに会ってみたいモンだ。
カティスはそんな思いを込めて「ああ、また会おう」と答えた。
本当に行って良かった。
そこに生きる人の「未来を望む声」が聞けたのだから。