オス受け長編創作

□未来を望む声5
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未来を望む声5




あれから一夜明けた。
長老達の要る建物で夜を明かしたが、夜の寒さと満たされぬ腹で、疲れなど取れなかった。
朝出された食事は、白米と、肉を焼いた物。
おそらく、鶏肉なのだろうが、驚くほどにまずかった。
痩せ細り動かず、食べる餌もなく、栄養の無い鶏肉がこれほどまずいとは。
脂もなければ、うま味も無い。
そんな、腹を満たす為だけの食事。

食事の後、2人は外へ出た。
昨日となんら変わりは無い。
大地も人も絶望の白旗を掲げたままだ。
1日で目で分かる効果など出ないと分かっていた。
…それでも、効果が、目に見える効果が、見たかった。
自分達も昨日と変わらない。
ただ、希望を願う事しか出来なかった。

「分かってはいた、だが…」

改めて何の変化もない状態に打ちのめされる。
2人は様子を見に辺りを見回る事にした。
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