オス受け長編創作
□未来を望む声3
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未来を望む声3
ディアとパスハに別れを告げ、オスカーとカティスは帰路についていた。
言われた事はガロンに流現しに行く事と、明日出発という事くらいだった。
あまりの情報の少なさに、2人は口数が少なくなっていた。
「しかし、明日出発とはまた急なスケジュールを組んでくれるぜ」
口を開いたのはオスカーだった。
少し悪態めいた口調だが、それはオスカーの中で少しでも不安を取り除くためのポーズなのだろうか。
「確かに、もう少し余裕が欲しいなぁ」
カティスはそう言うとオスカーに顔を近づける。
オスカーはそれに気がつき、咄嗟に身を引く。
「おいおい、逃げる事はないだろ?」
「だから、今はそういう余裕が無いって話しをしてたんだろう」
もう少し乗ってくれるかと思っていたカティスは諦めきれずにまだ続ける。
「キスだけでも、いいだろ?」
「断る、あんたはそう言っていつもキスだけじゃ終わらないからな」
「酷いな…オスカーの中の俺はどれだけ動物的なんだ」
「恨むなら日ごろの自分の態度を恨むんだな」
オスカーはそう言って鼻で笑う。
ようやく、オスカーらしい余裕が戻って来たようだ。