バレンタイン奮闘記

□〜2日目〜
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「お帰りなさいませ。ご主人様」


昨日、俺が何も見ずに決めたバイト先の決まり台詞。
そう、今人気のある『メイド喫茶』と言われる場所だった。


2日目で右も左もわからない…
昨日一通りのマニュアルは教わった。



――――


「今日から、七緒ちゃんの代打で働く黒崎一護ちゃんだぁ〜皆宜しくなぁ〜」

「「「はぁ〜い」」」

「宜しくお願いします」


店長らしき人に、紹介され挨拶を交わした。


「七緒の代わりでしょ〜じゃ、この子ツンデレ!?」

「さぁ、どうでしょ?」


ツンデレ!?それは何!!自分がわからない言葉が飛び変わり唖然とした。


「み、皆さん!!何か困ってますよ」

「あら、本当〜」

「ごめんなさい。えっと黒崎さん?」

「あっ、いや、えっ…」


名前を呼ばれ俺は漸く覚醒した。


「自己紹介だね。私、雛森桃です!妹キャラやってます」

「松本乱菊ね。私は〜何かしら?(笑)」

「虎鉄勇音です」

「…涅ネム…」

「黒崎一護…で、す」


皆個性的な『メイド服』に身を包み挨拶をしてくる。何か異様な感じだった…


「じゃ〜名前は…そのままで『苺』ちゃん!!」

「皆、苺だって〜」

「「はい」」


そのままと言われたが、発音が違う。でも、訂正する気力も何もなかった…



「じゃ、説明するね〜メイド喫茶って言っても、普通の喫茶店とあまり変わらないから」

「(十分違うんじゃ!!)」

「来たお客さんに、ご主人様とか、有りの侭の自分で接客すればいいから」

「は、はぁ…」

「頑張りましょうね」

「頑張って…」



説明してくれる、雛森さんに松本さん…頑張ろうと励まし?てくれる虎鉄さんに涅さん…


何か俺、早まってしまったのかもしれない…



――――


で、その後は質問攻めの嵐だった…

『何故、ここに決めた』
『彼氏は』
『スリーサイズは』


等々…律儀に俺は全て答えてしまっていた。


そして、俺はバレたくないと言う事を言えば、髪と同じ色のウッィグと眼鏡を用意してくれた。
何故眼鏡かと質問したら…


『眼鏡キャラは必要だから』


これまた今一わからない事を返された。


変な所だが、一度決めてしまったのだからやり遂げようと、心に決めた一護…改めて『苺』だった…




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