Straw Berry
□雨の日、君
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こんな日の出逢いも、思い出に残っていいよね…
【雨の日、君】
「クソッ!!天気予報なんて、当たらねーじゃないかっ」
学校帰り、急な雨に襲われていた…
少しは雨避けになる場所を見付け避難していた。
白銀の髪は、雨に濡れいつもと違い大人しくなっていた。
「あ゙ぁ〜、寒くなってきたぜ…もう濡れて帰るか」
周りには、人も通らず独り言は大きく響いていた。
「よし、もう帰るか…」
諦めて、濡れて帰る決意をした時だった。
「あれっ?雨宿りか?」
声が聞こえた…
雨音よりも響く、凛とした声が…
「天気予報では、晴れだったからな〜」
俺はその声に、酔いしれていた。
「(…顔が見たい…)」
そう思っていたが、ちょうど傘で隠れ見えなかった…
「俺家近くだから、あんた傘持ってて!!」
「えっ!?」
そう言われて、急に手を握られ傘を持たされた。
―バシャッバシャッ
声を掛けてきた人は、傘を俺に持たせ足早に雨の中走って行く。
「あっ、おい!!」
ようやく出せた声…もう、声が届くとこには居なかった…
「…綺麗な橙…」
俺は走って行く後ろ姿をずっと見つめていた。
その姿は、ちょっと暗くなった空の中綺麗に映える、橙色が印象的だった。
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