Straw Berry
□染色
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真っ白なお前…
そんなお前を俺色に染めてやる…
【染色】
俺は苛々していた。原因は分かっている。
毎日の如く仕事をサボッている副隊長の事もあるが、他にも原因があった…
「…遅せぇ…」
誰も居ない執務室で一人呟いた。
待ち合わせをしていた。頻繁に合えない恋人と…この十番隊隊舎で。
待ち合わせの時間はとっくに過ぎている。時間にルーズではない。だとすると原因はあれだ…
捕まっているのだろう。変態達に…
だが、助けに行き席を外して入れ違いになるのも、相手に悪い。もう、向かってるかもしれない。
何かしていないと、苛々が積もるばかりだった…
「松本ー!!松本ーっ!!!」
誰かに当たらないとやってられない…
「はいはい…そんな怒鳴らなくても聞こえてます。」
「テメェ、どこ行ってたんだ!!仕事放り出して!!」
「一護に呼び出されてたんです」
「…一護に?」
「もう、来るはずで…」
「冬獅郎〜っ」
乱菊の声と重なり、愛しい者の声が聞こえた…
「悪るい!!遅れたっ」
「おっ…せぇ…」
謝罪を述べる方を振り向き怒鳴ろうとしたが、できなかった…
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