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琥珀作 <ギャグ夢>



実は天下無敵の風紀委員長こと、雲雀恭弥には、唯一叶わない人物がいます。


「雲雀〜聞いてよ〜」

「原稿用紙三枚分なら」

「四百字詰めで?」

「うん」


決して誰も近付こうとはしない応接室に、血迷いもなく入って来た女子生徒はそう言った。


「えっと、さっきね、喧嘩売られたんだ」

「ワォ、君にかい??随分勇気のある人がいたんだね」

「うん、あえてどうゆう意味かツッコまないからね」

「で?どうしたの?」

「うん、売られた喧嘩は買う主義だからね、『よっしゃ――!!買ってやらぁ!!ただし三割値引きしないと返品するからね!!』って言った」

「君は何がしたいのさ?」

「売り言葉に買い言葉だよ」


サラリと言う彼女雲雀はため息をつく。


「で、何で喧嘩になったの?原因は?」

「あぁ、そうだった。あんね、原因はね、私がアイスを食べたくなって、コンビニでコーンアイスを買って来たところから始まるんだけど…」

「ちょっと待った。何さり気に問題発言してるのさ。勝手に学校脱走しないでよ」

「戻って来たからいいじゃないですか。それで……あぁもう、何かめんどいな。めんどいから
回想に入るよ」

「自己中もいい加減にしなよ」

「雲雀さんも大概自己中です」



―回想―


「(アイス♪アイス♪)」

私が買って来たばかりのアイスを食べながら廊下を歩いていると…


ドンッ


「うわっ」

「ご、ごめん!!」

誰かにぶつかられて、アイスが落ちそうになる。

相手はよほど急いでいたのか、謝るとすぐに立ち去って行く。


「ちょ、危ないなぁ…」


その時だった。


ドンッ (二度目)


今度は不良だった。

不良はぶつかったことに気付いてないのか、仲間達と呑気に歩いていく。

……それはいいのだか…(いや本当は良くないけど、)


「(私のアイス――!!)」


そう、見事に体制を崩したアイスは、床と一体化していたのだ…。



「ふぅ、やっと授業終わったな…」

「かったりーよなぁ」

「風紀がいなけりゃ普通授業サボるのになぁー」

「違いねぇ!!」

「「ハハハハッ!」」

「…ねぇ、」

「いっそ風紀の奴等襲うか?」

「止めとけ。他の奴等はいいとして、雲雀にはかなわねぇよ」

「…ねぇってば、」


 


ねぇってば、オイ、聞けよ。



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