Novel-Pop'n music
□act 1. 始まりのうた
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「でもさぁ、紗耶ぁ」
「決めた名前で呼びなさいっつの。で何?」
「私達の名前お菓」
「…しゃあらっぷ」
ごん。
あう、暴力反対。
「良い?アンタ、Bis子はビスケットみたいだからBis子。で、アタシがアンタの保護者だから会社のグリコを文字ってグリ子。おっけぃ?」
「何で私ビスケット?」
「美味しそうだから」
え。
ちと。
ちと待てグリたん。
「嘘だよ。ビスケットって甘いじゃん?」
「私甘ちゃんすか」
「ちゃうちゃう。でも、ビスケットって、甘さだけじゃないでしょ?」
「………!グリちゃん、素敵っ!!」
「はっはっはっv」
「大好きだよっ!」
「当たり前〜」
強く抱き付けば返ってくるのは得意満面な台詞と応えてくれる腕だ。
「よしよし、良い子だから離れなさい?そろそろ行くわよ、もうすぐバス来るから。ね?」
グリちゃんがそう言い、私の手を引いて歩き出した。只今の時間、10時23分。確かに、あと10分でバスがバス停に来る。