Novel-Juvenile Talk

□不確かなもの
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「んーとね」

珍しく少し考える素振りを見せる友。

「僕様ちゃんね、いーちゃんへの思いは絶対的に確かなものなんだよ」

「……………」

「僕様ちゃんはいーちゃんの事が大好きだから。いーちゃんの事が好きなのは確かな事なんだ」

純粋な、言葉では言い尽くせない程純粋な笑みを浮かべて言う友。
純粋な玖渚友。
確かなものなど、その小さな躰の中に嫌と言う程ある癖に。
ぼくとは違って───存在する癖に。

ぼくを好きと言う友。
ぼくを愛する友。

………戯言だ。
戯言以外の、何だと言えるんだ。

確かな君に。
不確かなぼくも、想いを寄せているなんて──。



「いーちゃんは不確かだよ。真実なんて言ってくれない、言うのはいつも戯言ばかりで──でも、好き。大好きだよ」

「僕も好きだよ、友」

確かなものは不確かなものに愛を告げる。
不確かなものは確かなものに憧れを抱く。
死線は欠陥を愛する。
欠陥は死線を愛する。
だから───。

戯言遣いは青色サヴァンに愛を告げる。



fin.


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