Novel-Guilty 2
□my dear
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「そ、皆!ほらほら、だから早く行こうっ!」
「ちょ…待て、押すな…どわぁぁあああ!!」
無理矢理階段から突き落とされて俺はまたも絶叫を上げながら一階のリビングへと行かされた。
口調に似合わず何ちゅー怪力だよ、おい。
嫌な予想は数分の狂いもなく当たっていた。リビングには白カイを含めて様々な色をしたカイが各自寛いでいた。本物のカイは台所にいる。
「…おや?ソルじゃないの。おはよう、お寝坊さん。良く眠れたの?」
「桃色の坊やかよ…」
「そ♪桃カイって呼んでね、ヨロシク…」
言いながらするりと此方の首に腕を回してくるのはどうしてなのか。どうやら桃カイは誘惑タイプらしい。それはそれでも良いのだが、やはり違和感は残ってしまう。
「桃姉!ソルにくっくつのは僕の役目だよっ!!離れて離れてぇ!!」
そう声を張り上げるのは当然の如く白カイだ。一々騒がしい奴で困る。カイにどうにかしろと視線を向けてみるが、黙々と台所で調理しているのを見ると、無視安定みたいだ。気付いていないという事はないしな。