Novel-Guilty 2
□貴方の夢を私は見る
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これはもう、何かの事件と見なしても差し支えないだろう。
「取り敢えず、元に戻るまではこのままでいるしかありませんね。明日から休暇を取ります」
「俺も此処にいるしかねぇな…警察機構なんざ行って仕事出来るか」
「しかも私になり切らないといけませんしね。貴方では無理だ」
「……挑発するな」
こうして、二人の奇妙な共同生活が始まった。
夢にまで見た肢体。
カイはソルにはすまないと思いながらも、この奇跡の様なトラブルに内心感謝していた。
力強い筋肉。
深い双眸。
傷んだ茶髪。
何より───強さ。
皆々自分の欲しがっていたものだった。この眼と顔が羨ましかった。
例え、例えギアでも。
私は自由を手に入れた。私は今、ソルなのだ。
「…っく、あはは…っ」
笑いが止まらない。
何と言う充実感。
何と言う優越感。
達成感。
私の願いは、叶えられたのだ。
カイは人知れず笑った。
夢なら醒めないで。