Novel-Guilty 2
□女神の蒼
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蒼色の。
───変化を。
「……カイ…ちゃ…」
閃光も収まり、視界が明順応してきて、俺は。
"それ"を、眼にした。
深海を思わせる、腰まである長い蒼の髪。
普段より濃さを増した、濃紺の双眸。
蒼と白を基調とした制服だけが唯一変わらず、しかし、その荘厳然とした蒼の容姿を惜し味なく引き立たたせている。
変わっていた。
変わり過ぎていた。
同じ所なんて──服装以外何一つとしてない。
女神。
そうとしか呼べない。
蒼だ。
これ以上ない程蒼だ。
女神の───蒼だ。
美しく見る者を救う。
凛としている。
カイ=キスク。
女神。戦慄の女神。
纏める者。
纏う者。
『希望』を掲げた神。
凛々しく存在する者。
蒼厳の雪、女神の青。
カイ=キスク。
女神の瞳を携えろ。
美しく見る者を救え。
蒼に絶命しろ。
幻想を抱け。
「……坊、や…」
旦那が口を開く。俺は声も出せない。
カイちゃんは。
否───カイちゃんではない、蒼い女神は。