Novel-Guilty 2
□女神の蒼
2ページ/18ページ
泣きそうな声が。
耳に届いた。
「……………?」
閉じようとする瞼を無理に押し開き、声を確認しようとする。誰だ。誰の声だ?先刻の自分の名前を呼んだ声は。
顔を上げる。
見えたのは、蒼色。
…………カイちゃん?
あれ、後ろから旦那も走ってくる。何だ、どうしてぞろぞろと?何でそんな正義のヒーローの如く駆け付けてくるのさ?
格好良いじゃん。
羨ましい。
でもさ。
そんな、泣きそうな顔、してないでよ。
カイちゃん。
綺麗な顔が台無しだよ?
そんな顔はしないで。
笑ってて。
笑って。
君には、笑顔が──。
「い…やぁぁぁあああああああああああああ!!アクセル!!!」
カイちゃんが絶叫して。
辺りが真っ白にうがたれた。閃光だ。
雷電。
電撃。
眼の前に、雷が落ちた。
眩しくて、眼を瞑る。
瞑ろうとする。
しかし。
躰が動かない。
「─────っ!」
眩しい閃光の中、俺は確かに見た。見ていた。