Novel-Guilty 2
□貴方に遺す言葉
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「……私は、常に皆の希望でなくてはならない。だからそんな顔をしないでくれ、ソル」
まるで自分の考えを見透かした様に答えたカイの言葉に、息が詰まる。
「…………そんな事、誰が決めやがった」
「私」
「…………」
「私が、決めたんだ」
「……………」
カイは笑っている。こんな時でも儚気な笑みは浮かべないで、ただ撫然とした笑みだけで。
「皆の意思ではない、私の意思──『希望の蒼』を望んだのは紛れもなく私なんだよ、ソル」
「……………」
自分の意思で。
他の誰でもない──己の意思だけでこの蒼は。
ただ、助けようと。
ただ、救おうと。
罪に塗れたこの世界を、せめて綺麗な蒼と赤に。
「だから──なあ、聞いてくれ、獅子の紅。私は聖戦で死ぬだろう」
「……………っ」
「だから、遺言を受け取ってほしい───」
「………何だよ」
断った所でカイは揺るがない。揺らぐ筈がない。こいつの意思は誰よりも強靭だ。俺よりも。
俺よりも──強い。
お前は、強い。
「私は、お前達の笑顔が一番大切だ」