Novel-Guilty 1
□blue
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「何が言いてぇんだ」
「旦那とカイちゃん取り合うつもりはないってコト。勝ち目ないしね」
「…は?」
あーあ、間抜け面。
「カイちゃんは俺にとっては女神だからね」
女神。戦慄の女神。
纏める者。
纏う者。
『希望』を掲げた神。
凛々しく存在する者。
蒼厳の雪、女神の青。
カイ=キスク。
女神の瞳を携えろ。
美しく見る者を救え。
蒼に絶命しろ。幻想を抱け。
「神は…讃える者だよ、人間が求めていい者じゃない」
『勝敗がどうであれ、笑顔で手を取り合える。貴方とはいつまでもそういう関係でありたい』
その姿に、声に、蒼に。俺がどれだけ救われたとしても。
どれ程恋焦がれても。
貴方はいつでもいつまでも、美しく救済を与えて下さい。
「俺はそうは思わねぇ。アイツは神じゃない」
知ってるさ。
そう思えるアンタだから、カイちゃんの隣にいる資格があるんだよ。
女神を女神と思わない、感覚。
あの蒼厳が求めているのはそんなものだ。
そんな下らないものだ。そんな儚いものだ。