Novel-Guilty 1
□whereabouts
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しかし到着が遅ければ遅いほど、いずれこの場に来る嵐は激しさを増す。
団員達は正直に一斉にこう思いを馳せた。
逃げてぇ。
しかしその思いも虚しく破れ去られた。
ぷしゅー…。
入り口の自動ドアが機械的にゆっくりと開け放たれ、そこから気だるそうに室内に入ってくる男に、団員達は蒼褪め、カイは眼を見開いた。
ソル・バッドガイ。
入団以来問題の絶えない男で、しかし実力はカイを易々と抜いて堂々とNo.1という経歴を誇り、しかし本人は誇るどころか何時も邪魔そうにしていた。
そんな彼は毎度の事ながら今日もしっかりと遅刻。カイはつかつかと歩み寄り、ソルの正面に立ったはだかった。
「…ソル=バッドガイ。遅刻の理由は?」
「ああ?…何でんな事おめぇに言わなくちゃなんねぇんだよ」
ソルの相も変わらない態度に団員達は本格的に慌て出し、カイは頭に青筋を増やした。
「大体遅れても良いだろ、何も『戦力』は俺一人じゃねぇんだしよ?」
「…………っ!」
ぷちっ。
カイの中で何かの糸が音を立てて切れた。
だぁんっ!!