Novel-original

□逆滝 [sakataki]
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さあ────



世界を終わらせよう。





















中越えの街・東京は大きな四つの谷に囲まれている。その為太陽の光が上手く差し込まず、街はいつも夕方のような風景だった。その街の中央、北と南の半分と東と西の半分に重なる線のきっちり上に、日本政府の庁舎がある。白く高く細長いその建物には、約千人の役員と、約十万人の隊員がいた。日本政府は権力の最高機関である。この機関の意見はそのまま内閣総理大臣に届けられ、参議院や衆議院にも制止されない。否と言えば即罰。機関長には総理大臣並の特権、或いは越権が与えられていた。

何故なら、この日本政府が───今正に地球を救おうと奮起しているからだ。

地球にはある『自然現象』が予測されている。それは人類全てに影響を及ぼすほどの大規模な問題で、それをどうにかしない限り、日本どころか世界中の生命が───死に絶えるのだ。

その現象の名は。
『逆滝』。
世界が終わる───人類が絶滅する、システム。

その現象を防ぐ為に、技術を誇る日本政府は、あるものを作り出した。















陽宮水海はひのみやみずうみと呼び、女の子だ。


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