Novel-Juvenile Talk
□生まれて初めて
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お前だけだった。
お前が最初で───お前だけが、最後だった。
皆が。
皆が、見ている。
ぼくを。
ぼくの腕の中で眠る、この少女と共に。
見ている。
見られている。
見られている、のに。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!ああああああああああああああああ───っ!!!」
ぼくは、涙を流していた。
ひりつくような涙を。
生まれて初めて流す涙を。
泣いていた。
ぼくは───泣いていた。
「うぅ、ううぅ…っ!ちがう、ちがう…っこんな筈じゃ、なかっ…、違う…!!こんな、こんな、こんな…こんなこと…あ、有り得ない…ありえ、な…ぁっ」
抱いた肩が細い。小さい。それ以上に───冷たい。玖渚友は眼を開かない。何度呼び掛けても返事もしない。あの蒼い蒼い眼を、見せては───くれない。
違う。
こんな筈ではなかった。
ぼくは、ぼくは、こんな現実を───見たかった訳ではない。こんなものなど。
こんなの、嘘だ。
ぼくみたく、嘘偽りだ。
「あう、あ、あ、あ───玖渚、くなぎ…玖渚…ぁ…友。友………友…っ」
友。
嘘だ。