Novel-Juvenile Talk
□不確かなもの
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「確かなものと、不確かなものって、何だと思うかな?いーちゃん」
はっきりとした蒼い髪を揺らしながら。
玖渚友はそう尋ねた。
「いーちゃん。確かなものと不確かなものって、いーちゃんの中には存在するのかな?僕様ちゃんにはきちんとあるよ」
「…うーん?」
いきなり何を言うんだ、この小娘。ぼくらしく戯言の様な質問をして。
玖渚友は滅多に問いを口に出さない。その明瞭にして才能溢れる脳は疑問に感じる事自体がその存在を保ち続けていられないのだろう。玖渚友の中では、絶望的に疑問と言う疑問が発生しない。
膨大な記憶力。
精密な暗算力。
それが玖渚友の玖渚友である所以である。
戯言だけどね。
「……いきなり精神的な質問を何の脈絡もなく投げてくるなよ、友」
「ごめんごめん。で、ある?いーちゃん」
「…うーん…」
不確かなもの。
確かなもの。
取り敢えず…。
「メイド好きな所」
「ふぅーん、そう」
軽く受け流された。
こいつにこういう種類の冗談は通じない、か。
「で、この質問の意図は何なんだ?友」