Novel-Guilty 2

□desire 〜終末の鐘〜
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もう、やめよう。

























此処連日のギアとの闘争で他の団員達が疲れているのは解っていた。しかし、それにも関わらず、その表情は輝かしくも息衝いていて、不安の様子は欠片も窺わせない。それは自分とて同じことだった。いや、寧ろこの状況下で、不安だという雰囲気を醸し出すのは、いただけない。それは団員全体の願いでもあり祈りでもあり、そして何よりそれは現実となりつつある。

───長い年月を掛けてギアと戦ってきた聖戦が、終わろうとしていた。

かと言え、油断は許されない。もう大丈夫だと思ってタカをくくれば、あっという間に人類は敗れる。この大規模なギア殲滅戦が終結を迎えれば、残りは少数の個々のギアを圧倒するだけなのだ。あと少し。あと少しだけ頑張れば、もう明日の命を脅かす存在に怯える必要もなくなり、幸福な日々が自分達を待っている。人類は未来を生きるのだ。過去の憂いを乗り越えて、未来の期待を胸に抱き。

生きる。
生き残る。

少なくともこの世界の人間は、犠牲がないなら命さえ保てないという程、罪深い魂だということだ。

今更だが。


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