Novel-Guilty 2

□私の好きな
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手のぬくもりとか。
照れた時に頭を余計に掻く癖とか。
眠いと首を鳴らして無意識に抵抗する癖とか。

どれが一番だなんて、決められないけど。















温かい何かに額を撫でられて、眼を覚ました。だから眼の前が真っ暗なのはその撫でたものが顔の上にあるからだろう。

「………、…ソル?」

「起きちまったか?」

起こすつもりはなかったんだけどよ、と少し困ったように言いながらまた頭を撫でてくる相手を寝起きの瞳でぼんやり見上げる。ソルはベッドの脇で椅子に腰掛けながら此方を見ていた。

「何か飲むか?」

「……………?」

普段と違い気を遣ってくれるソルに違和感を覚える。自分は何か、眼の前の相手に優しくされる原因などあるだろうか。

ああ、そう言えば。

「私なら……大丈夫だから。心配しないで」

「熱で倒れておいて、何が大丈夫なんだよ」

そうだった。今日は久し振りにソルが此処に訪れてくれたというのに、自分は体調不良でダウンしてしまったのだ。


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