Novel-Guilty 2
□isolation
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ただ傍にいてやりたかった。傍にいたかった。
綺麗な綺麗な。
俺の。
俺の───…。
誰かが言った。
あれは、神童だ。
誰かが言った。
あれは、至高だ。
誰かが言った。
あれは、傑作だ。
誰かが言った。
あれは、希望だ。
誰かが言った。
あれは、孤高だ。
しかし、孤高とは───孤独ではないのか。
あれが孤独ではないと、誰が言える。
「おっ、『女神様』のご登場だぁ……」
「相変わらず綺麗だよな…ああ、ヤリてぇ」
「おいおい、俺もまぜてくれるよな?」
「俺も〜」
遠くから聞こえてくるカイへの歪んだ欲情に、反吐が出る。ソルは咥えていた煙草を指でへし折り新しい一本を取り出し、法力で火を点けた。
しかし、そいつらを殴れないのは、自分の事を棚に上げられないからだ。ソルは壇上に上がり凛々しく振る舞うカイを見上げ、眼を細めた。
カイと眼が合う。カイは驚いた顔をしてぱっと俺から視線を外した。
自分はあの坊やには心底嫌われている。