Novel-Guilty 2

□隣で、一緒に。
1ページ/25ページ

『ああ、何故こんなにも私は弱いのだ?何故こんな不倖にも勝る拙劣さを匂わせる弱さが私の中にある?まるで他人の分の弱さまで奪い取った様な弱さではないか。ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。私はこんな弱さを赦した覚えはない。従って私は知らぬのだ。私の耐え難い弱さなど私は一切関知しておらぬ。よって君のその意見及び忠告はどうぞどうぞ君の胸の中にしまって置きたまえ。いつかきっと、私のこの言葉を思い出す様に。私のこの弱さを思い出す様に。確かに、頼んだよ』

















それを聞いていたくなかった。この耳を削ぎ落としてしまいたかった。

「じゃあ、旦那はカイちゃんが重いっての?」

「そうは言ってねぇだろうが。ただ、俺が坊やに釣り合わないっつう事だよ。いや……どちらかがどちらかに合わないんじゃねぇな。簡潔に言えば──相性が悪いんだ」

「カイちゃんと旦那は、そもそも本質的に同じものではない、から?」

「そうだな。そう言っても良い。俺と坊やは明らかに違う、完璧に違う。同じ所なんて、あまりにも───ないんだ」


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ