Novel-Guilty 2

□例えば
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例えば、お前が此処にいない未来を想定する。

俺はどうするか。
どうなっているか。





この広い家に一人きりでソファーに座ってじっとしている自分。何故此処にいるのか、此処は何処なのかという疑問を抱えながらも、この部屋に逐一戻ってくるだろう。

懐かしい匂いがある。
ぬくもりが存在する。
自然に心を落ち着かせる様な、優しい何かが。

その感覚の理由が何なのか全く解らないまま、俺は此処にいるだろう。
そして、何かを待つ。

自分でも解らない何かを待ち続けるだろう。
扉を開いて、柔らかい微笑みを向けてくれる、何かを。誰かを。

開かれる筈のない扉の開く音を──待っている。

じっと身を潜めて。
ただ一心に。





「……ソル?」

俺の視線に気付いたらしく、眼の前の蒼色が俺を見てきた。相手の肩に手を添え、引き寄せる。



けど、お前は、此処に生きている。



「…何でもねぇよ」

言いながらキスを送ったら、相手ははにかんだ様に笑みを浮かべた。



fin.



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