Novel-Guilty 2
□大切な貴方の為に
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大切な貴方の為に。
いつか。
───いつか。
いつもいつもいつも、顔を俯かせて歩いているのは、貴方の姿を視界に入れたくないからだ。なるべく近寄らないし、避けるようにもしている。
なのに、何でこいつは、私の思う通りに動いてくれないのだろう。
「よう」
「……………」
「無視すんなよ?」
がし、と腕を掴まれる。ソルの手が触れている所が熱くなった。離そうともがくいたが、ソルも離そうとしなかった。
「そう露骨に拒否んな。ちっとこっち来い」
「何ですか、口用事なら此処で言いなさい」
「未来のお前と俺が会議室でお待ちだぜ?」
「………は……?」
意味が解らない。とうとういかれたかこいつ。
腕を掴まれたまま引っ張られ、半ば強制的に会議室に連れていかれた。
室内にはソルの言った通りに私とソルにそっくりな二人が椅子に座っていた。どうせこいつの冗談だと思案していた私は、予想外の光景に驚く。
「おお、来たぜ坊や。やっぱそっくりだな」