Novel-Guilty 2
□永遠の蒼の下で(前編)
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あの日、あの、永遠とも思える蒼い空の下で交わした約束は。
今でも、この胸に。
貴方の笑顔と共に。
希望はあると。
此処にあると。
教えてくれた貴方が。
蒼く蒼く、消えていく。
────記憶が始まるのは、雪の中だ。冷たいのかどうかも解らない意識の中、数人の声が聞こえたのは確かだった。
「………子供がいたぞ!意識がある!救助班!早く来い!こっちだ!」
「坊や、もう、大丈夫だからね。さ、おじさん達と暖かい所へ行こう」
人間の声かどうかも解らないまま、誘われる様な人肌のぬくもりに、眼を閉じた。
次に意識が回復して初めて見上げたのは白い天井だった。何処だろう。眦を軽く擦って再度視線を向けても、先程とまるで変わらなかった。
つまり、知らない場所という事である。
ならば、自分は何故こんな所にいるんだろう。
「…おお、眼を覚ましたか。気分はどうだ?」
「──…、…誰…?」
目線を下げて横に向かせれば、これまた見知らぬ白髪の老人が椅子に座っていた。