Novel-Guilty 2
□眼を開けたら
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眼を開けたらそこに誰かが、他人がいる。
そんな日を夢見てた。
頭が痛い。
「……………坊や?」
重く閉ざそうとする瞼を叱咤し、押し開く。扉の前にはソルがいた。
混乱している表情を向けられて、怪訝に思う。どうしたんだろう。
ソルが寝台に横たわる私の前まで来て、目線を合わせ問い掛けてきた。
「……………風邪か?顔色が悪いぞ…」
「…そんな所…」
声がカサつく。喉が渇いているみたいだ。ぐらぐら揺れる視界を頭を振る事で無理に振り払い、床に足をつく。
「立てんのかよ」
「………何とか」
足をついてから、寝台に下ろしていた腰を上げて立ち上がった…と認識した瞬間、意識と視界がぐらりと斜めに傾いた。
支えてくれたのは、当然だがソルの腕だ。
妙な安心感が生まれ、躰を預けて縋り付きたい衝動に駆られる。
「寝てろよ」
「喉渇いた…」
「持ってきてやる」
「嫌だ」
「……………あ?」
間の抜けたソルの声。