Novel-Guilty 2

□貴方に遺す言葉
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「今日が最後になるかもしれませんから……だから、そんな夜には貴方と話しても良いかな、って思ったのですよ」

「……ほう」

予感がする。
多分、こんな風な穏やかな日常は、明日で終わりを迎えるのだろうと。

だから、これだけは言っておきたかった。
貴方に、これだけを聞いてほしかった。

私の願う強さは私にはないけど、私にしか出来ない事も私にしかない。





「予想──と言うよりも予感ですね。ギアが本格的に動き出します。此処パリに向かって、大勢のギアが攻めてくる」

「………の割には随分と余裕綽々じゃねぇか」

「そうでもないのですがね。こう見えて実は怖くて膝が震えそう」

「そうなのかよ」

「はい。どうせなら触ってみますか?」

「……………」

どうせだから触る。
小さくだが確かに、膝は震えていた。

怖いのだろう。
当然だ。まだ成人してもいない子供の肩に、この後の運命は辛過ぎる。

なのに、カイは、表情にそれを出さない。

健気だ。
抱き締めたくなる。


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