Novel-Guilty 1
□blue
1ページ/4ページ
女神。
此処にいるという確かな存在感。
俺はただ救われた。
そしてまだ救われる。
「旦那はカイちゃんの事が好きなんだよね」
唐突に…俺はコーヒーを飲んでいて旦那はいつも通り無口。従って沈黙が辺りを包んでいてるのだから俺がただ何と無く口を開いても唐突にしかならないんだけど…違和感が拭えないけど正しく唐突に口をついて出た俺の言葉に、仏頂面と言うか顰めっ面と言うか無表情と言うか迷う顔が睨んできた。…マジ怖いよ。
「それがどうした」
因みに此処はパリの喫茶店。たまたま道端ではち会わせた旦那とお茶をしようという事に(旦那は酒を飲みたそうだったけど)なり、眼に止まった此処でお喋りタイムとあいなったのだが、…旦那のその低い声音は恐ろしくこの場所に似合わなかった。というか否定しない、本当なんだ。
見れば、旦那は照れた様に口許に掌を押し当て、視線を泳がせていた。こんな旦那は滅多に見れないので写真にでも撮っておこうと思案する。…駄目だ、燃やされちゃうよ俺様。いやんいやん。
「俺もカイちゃんの事好きよん?」