Novel-Guilty 1

□a beautiful girl and a beast
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例え貴方が獣であっても

この気持ちは変わらないから













此処はフランスのある町はずれ。パリとは違い華やかな雰囲気はないものの、穏やかな母の胸に抱かれている様な暖かさに包まれているこの町に、ある一人の心優しい娘がいた。

名をカイ、と言う。美しい生娘だ。フランス人独特の整った顔立ち、細い手足、完璧過ぎる優しい性格。どれを取ってもカイの魅力を語るには足りないし、全部を語ってもまだ物足りない。それ程までに優しい娘だった。

だから、当然の事ながらカイは、村中の様々な男達に求愛されていた。ブラックも苦しく、本当に苦しくもその中の一人だった。

ブラックは、カイのいとこだ。だから、血の繋がりは多少はある。いや実際には多くあるのだが、その二人の性格の違いを比べてみると、血の繋がりなど無いとも思いたくなってしまうのだが。

ブラックはカイにもの凄く、それこそ瓜二つというオーソドックスな表現方法しか思い付かない程、似ていた。まるで一卵性双生児を見ているようだった。
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