Novel-Guilty 2
□大切な貴方の為に
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少し考え、口を開く。ソル(この場合、ソル達と言った方が適切だろう)は何も言わず私達の会話を聞いていた。
「………私の躰は左腕以外にホクロがあります。何ヶ所ありますか?」
私にそっくりな私は少し考える様な素振りを見せてから、口を開く。
「……左腕にしか、ホクロはない筈ですが?」
「────…」
明快だ。
これ以上なく明瞭だ。
「貴方は、私ですね」
「やっと信じて頂けましたか。良かった」
ほっとした様に顔を綻ばせ息を吐く私。やはり違和感はある。未来の私は少なくとも今の私より、柔和な性格のようだ。
「取り敢えず第一関門は突破出来ましたね?」
「まぁな。これぐらいはしとかねぇと混乱を呼んで面倒臭い事になる」
「全く同感だ。はは」
「……………」
───未来の私とソルの仲も案外良いらしい。
ふと、現在の、私の後ろの椅子に座っている筈のソルを振り返る。
眼が合った。
「………っ!」
「……坊や?」
慌てて体勢を未来の私の方に向き直せば、案の定私の後ろのソルが問い掛けてきた。当然だ。