Novel-Guilty 1

□倖福論
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カイは韜晦する様に、可愛く笑う。可愛く。

「では質問を変えます。ソルは倖せを感じる時がありますか?あるなら、どんな時ですか?」

倖せを感じる時。
倖せな時。
それは、不倖ではない時と言う事なのか?

「………朝起きた時とかの、あったけーあれ」

「ああ、確かに」

「後は……そうだな、お前とこうしてる時は、倖せだと言えるぜ」

「そうなのですか?」

きょとんと眼を丸くして尋ねてくるカイ。

可愛い。
そうだ。
お前と居る時は、間違いなく倖せだ。

「少なくとも、倖せだと思う時は存在するさ」

そう、存在する。息衝いている。発生している。
倖せは誰にでもある。
不倖も誰にでもある。
絶対的に。
必然的に。

誰にでも、優しい世界。
それが、倖せ。

「…ふふ、あははっ」

カイが笑う。
可愛く笑う。


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