Novel-Guilty 1

□大切なもの。
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頭が正常にも異常にも通常にも止常にも働いていない。喉が正確にも異確にも機能していない。胸が痛い。眼が痛い。耳が痛い。肩が痛い。腕が痛い。手が痛い。足が痛い。爪先から踵まで痛い。関節から筋肉まで痛い。躰が痛かった。

ただ、泣きたかった。
だから泣いた。

泣いて泣いて泣いた。
嘆いて嘆いて嘆いた。
叫んで叫んで叫んだ。
死んで死んで死んだ。

皆死んだ。
僕だけ死んでない。

何で。
どうして。
何の理由があって。
どの様な訳があって。

『うぁぁー…ん!うわぁあああー…っ』





化け物。
お前なんかいらない。















「…坊や?」

「………、…ソル…」

聞き慣れた低い声に当てはまる人物の名を頭に思い浮かばせ振り返れば、案の定正解だった。カイはソルを視認すると直ぐ様視線を外し元の位置に戻す。

夜だった。淡い光を発し地球を照らす丸い月が、夜の雲にその姿を隠そうとしている真夜中。カイは自家のテラスの椅子に腰掛けて、夜空を見上げていた。その後ろ姿を見つけて、ソルがカイに声を掛けた。


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