Novel-Guilty 1
□whereabouts
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カイのすぐ傍にあった机にカイの拳が打ち付けられた。拳の形が机にめり込んでいる。団員達は一斉に部屋の隅に避難し、ソルも流石にこれには驚いたらしく、唖然と眼を見張る。
カイは視線を伏したまま低く呟いた。
「お前がそう言う考えなら良い。…その考えを直させてやる、来い」
恐ろしく感情の入っていない声音で言い放ちさっさと室内から出て行くカイ。ソルは少し考えた後団員達の方に視線を送ったが、全員が「行けー!!」と汗を流しながら眼で訴えてきたので。
「…へヴィだぜ…」
ぶっきらぼうにそう呟き、渋々カイの後についていった。
「今日こそは本気で戦え…!ソル!」
「………」
解っている。
解っていた筈だ。
「どうした…?…剣を抜け!」
私の居場所は。
もう此処でしかない事。
ソルは構えない。カイはそんなソルにいつもより苛立ち、自分のこの要領の悪い機嫌を酷く惨めに感じた。
実は今日の朝、聞いてしまったのだ。聖騎士団本部に向かう途中に、町の中で。壁の隅に立って話をしていた二人の言葉を。