書庫5

□家族の肖像 子供の法則
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千歳は思った以上に喜んだ。

目をきらきらさせている息子を見ると、それほど今まで我慢をさせていたのかと土方は複雑な気分になる。
妊娠中は周囲の気遣い制止があったことや千歳自信控えめだったこともあり、ゆっくりとした生活を心がけていたのだが、もう少し一緒にいるべきだったかと反省する母親である。本人は父親だと主張しているが。

大して高杉はまた落ち込みつつ拗ねるという複雑なことになっている。
多分桂がまたフォローしてくれるものと思うが、そう考えると双子が出来てからとばっちりを受けているのは千歳と桂なのかもしれなかった。

「ははうえ、おなかぺったりになった…!」

湯船から出て体を洗いながら、不思議そうに千歳が言う。
先月まではかなり大きかった腹部も今はなだらかに戻っていた。
あの中に赤ん坊が入っているのだと桂が教えていたから、多分賢い千歳のことだ、なんとなくは分かっているのだろうが、矢張り急にぺったりになってしまった腹を見ると不思議に思うのだろう。

二人もその中に入っていたのだから千歳のときより腹は大分大きかったが、普通の妊婦より少し大きい程度だったろうか。
銀時の希望で性別は生まれるまでのお楽しみということになっていたが、その際ついでに双子だと言うことも医者が伝え忘れており、千歳のときとの差に土方はもしやこれは糖尿病の影響かとひやひやしたものである。
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