書庫5

□(唐獅子)牡丹と薔薇 -悪友襲撃-
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退屈極まりない入院生活が続いている。

班池組なんかに遅れをとったのは高杉にとっては不快極まりないのだが2tトラックが突っ込んできたのだ、そのあたりは仕方がない。負傷していなかったら銀時と二人であんな組くらい壊滅できると妻曰く無駄な自信がある高杉である。おそらく銀時も肯定するだろうから、この二人を最初に潰そうとした班池組の作戦は正しかったに違いない。

まさか姐さんが突っ込んでくるとは思わなかっただけで。



ここしばらくのベッド上生活も大分慣れてしまい、ひたすら退屈な日常に高杉は既にうんざりしている。

ベッドから降りて歩けないわけではないが、骨折だけでなく打撲も酷かったのであざはとれたが内臓の具合をしばらく見るために安静を言い渡されているのである。
もちろん無視して銀時の病室に乱入したり、院内は禁煙だから屋上に上がってヤニをふかしたりしていた高杉だ。煙草はともかく銀時への襲撃は隠していないから松本には直ぐばれて、其のたびに雷を食らっていたのだけれど。
松本だってその程度の雷で高杉が大人しくしているなんて考えてなどいないだろう。
トシだけが心配して小言を繰りかえすが、それも半分程度はスキンシップ(銀時曰くセクハラだが夫婦間でそんなものがあってたまるかと思っている高杉である。第一トシに嫌がらせをするなどありえない)でごまかしている。悪い患者だ。

トシは病室をマメに訪れてくれるが、あれだけの騒ぎになってしまったのだ。姐さんん自ら乗り込んだということはあっという間に組だけでなく知れ渡ってしまって、何やかやと組の外からも接触を試みられているらしい。幸い組のものが全力でフォローをしているらしく、まずは安心の高杉だ。事件以前の組とトシの関係だったなら高杉は入院を蹴ってでもトシの隣をキープしようとしただろうが、今は妙な具合にまとまっている組のことである。トシをみすみす危険な目にあわせることはないだろう。ただし今度は組の内側が心配である。手を出されそうになったとしてもおそらくトシのことだ、殴るなり蹴るなりして防御するしむしろあの雰囲気は親衛隊といえるものでもあったから、大丈夫だとは思ってはいるが。
本当はトシを病室に泊まらせたいのだが、入院した日の夜のアレコレをトシの元部下に聞かれたらしく次に同じことをやったらしばらく触らせてもらえないだろうというのが分かっているため、迂闊に寝技に持ち込めない高杉である。
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