書庫2

□うそつき
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「言ってることわかんねぇかなぁ?高杉のザーメン入ったナカになんか突っ込みたくないわけよ」

酷くされたくなかったら、さっさとやりな?

そういう目はひどく冷えていて、土方はきゅ、と眉根を寄せると、おずおずと先刻穿いたばかりのズボンを下ろし、膝を広げる。シャツの下の性器はゆるく既に形を成そうとしており、矢張り高杉に何かされたのだろうと銀八は確信を深めた。でなければ恐怖に支配されている今、萎縮はしても張り詰めるなどということは考えられない。多少酷いことしてはきたけれど、それでMに目覚めでもしない限り土方がそんな反応をするなどとは考えられないのだ。どうしていいのか分かないというように、土方は銀八を怯えた目で見上げる。大体土方は、銀八がさんざにに揺さぶって満足するころには精も根も尽き果てて(比喩ではなく)気絶しているので、銀八が掻き出して処置をしているのだ。
ゴムを使うという概念は土方相手にはなく、そしてそれは高杉も同じようだった。
つ、と先刻まで高杉を受け入れていた蕾から土方の呼吸と合わせるようにして白い太腿を伝い落ちた精液に銀八は眉根を寄せる。

「指、後ろに回して」
「っ、できな…っ」
「のろのろしてると無茶苦茶するよ?」

また机を蹴りあげると肩が竦む。今にも泣きそうな顔で土方は震える指先を後ろに回した。触れたこともない其処に触れた指が震える。

「入り口に二本指突っ込んで、左右に広げて」
「…う…」

ゆっくりと言われるまま、自分の中に指を飲み込ませた土方はその熱に怯えて手を止めかける。またがん、と机が鳴って上に積んであった本やプリントがばさばさと音を立てて落ちた。きゅうと目を瞑ってゆっくりと含ませた指を左右にゆっくりと押し広げると、中に急に空気が入ってくる。冷気に晒された内壁が嫌がるように指を締め付けた。眉根にさらに力を入れて、身体の要求に逆らって押し広げると奥に吐き出された高杉の熱が降りてくる。どろりと内壁を伝ったそれが、入り口を広げる指に触れたときは泣きそうになった。

「それだけじゃ全部出てこないでしょ?もっと指を奥に入れて、くの字にして…」

言う銀八は、瞬きもせずにこちらを見ている。かくかくと震える膝頭、白い内腿を汚す白濁、必死で堪えている表情、長い睫の先にちらちらと光る雫。
見ているだけだというのに銀八の其処も反応していて、本当なら今すぐに押さえつけて細い腰抱え上げ、泣き叫ぶところをまた意識を失うまでさんざにして犯したい。
だが今は、欲求よりも強い怒りがあった。
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