書庫1

□裏側の事情編
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二週間前から土方をはじめとする真選組はある天人の警護の任についていた。

大使館がもう直ぐ完成するというので準備のために大使をはじめとする役人連中がターミナルに到着したのである。大使館はこの星が開かれた経緯のため、一箇所に固められ厳重な警備体制がしかれている。

このごろはテロ活動の活発になってきたということもあり、大使館の集中するその地区に入るだけでも現在はいくつもの検問を通り過ぎなければならない。
ただ、その天人たちが大使館完成までの間起居することになる屋敷は、どうしても都合がつかなかったそうで警備区域の外となった。

だからこそ、真選組が駆り出されたのだ。
大使館の厳重な警備から外れた場所に新しい天人が入ってくるのだ。攘夷志士たちにとっては格好の獲物である。

天人は、形容のしがたい風貌をしていた。
喩えられる生物が地球上にいないというのもあっただろう。形状は人に似ていたが、どうも慣れられない。土方はそう言っていたらしい。

警備の最初のうちは何事も起こらなかった。だがいくら厳しい警備といっても二週間も毎日気を張ってはいられない。敵もそれを狙っていたのだろう。襲撃があったのは、大使館に引っ越す二日前のことだった。
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