機動の書庫 二号舎
□留美からの贈物
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「な、なんで…っ」
こんなのを着なきゃならないんだぁ――――――!!!!!
ホテル最上階に響き渡るは、刹那の声。
事の始まりは、留美から届いた一通のメール。
内容はこう…。
『ごきげんよう、マイスターの皆さん♪
実は、この間イタリアに行った時に皆さんに似合いそうな洋服がありまして♪
今日皆さんがお泊りになるホテルに届けておきましたの。
良ければ皆さんで着てくださいませ♪
王・留美』
このメールは、マイスター四人に送られていて、その時はまだ、各自行動をしていた。
合流時、ティエリアがメールの話をして、じゃあ見に行こう、とホテルの最上階のスイートに向かった。
部屋に入れば、普段居る無機質な空間とは全く違った豪華な家具や装飾。
いつもながら、留美にはビックリさせられるマイスター達。
一通り部屋を見た所で、窓際に置かれたテーブルの上を見る。
そこには、大きな箱が数箱と、一通の手紙。
『皆さんに送らせていただいた服はこの七箱ですわ。
青のリボンが刹那へ、緑のリボンがロックオンへ、オレンジのリボンがアレルヤへ、紫のリボンがティエリアへ。
と言う色分けとなってましてよ♪
虹色のリボンの箱は、靴が入ってます。
その靴にもリボンが付いてるので、服と合わせて着用してくださいなっ♪
王・留美』
マイスター達は、渋々箱を開ける。
そして冒頭へ戻る。
刹那以外の三人は、男性服で。
でも、刹那に送られて来た物は…。
ワンピース
「…女性物じゃん」
ロックオンの呟きに、皆が溜息を付いた。
「まぁ、着て歩け、とは言われてないんだし…」
アレルヤが刹那を宥めようと肩を叩く。
ふと、箱の中にある一枚の紙に目がいく。
手に取り見てみると、さっきの手紙と同じ字。
『刹那、これを着て歩きなさいな♪
着て歩かなければ、エクシアに乗せなくてよ♪
あ、ちゃんと皆でデートするんですのよ!!
でなければ、チョイスした意味がありませんの!
さぁ刹那!エクシアの為に着なさいな!!』
棒読みで読み上げれば、また刹那が叫ぶ。
「エクシアは俺のだぁ―――――――!!!!」
「わ、解ったから落ち着けっ!!」
どうやら、頭に血が上りすぎて、冷静になる事が出来ないらしい。
暫く、刹那をワンピースから隔離させることにした。