機動の書庫 二号舎

□再会は唐突
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「…!!」
「おや?」

午後、僕は君にまたあった。
場所は人で賑わう公園。

「やぁ、刹那。お散歩かな?」
「…アンタには関係ない」
「つれないなぁ…?こんなにも再会した事に喜んでいるのに…」
「俺は喜んでない!!」

そう怒鳴る彼は、手ぶら。
さっきの袋は消えている。

「買い出しは終わったのかな?」
「貴様には関係ない」

口調が厳しいな…。
でも、そんな彼も凄く可愛い…。

「時に、刹那。今、時間はあるかな?」
「…教える必要は無い」
「君と、デートがしたい」
「…どっか逝け」
「き・み・と・デートがしたい」

近寄れば、後ずさる。
けれど、僕は逃がさないんだからね?
逃げようとする手を掴んで、人の居ない路地へ向かう。

「お前…っ何をする!」
「デート、と言った」

人が居ない路地に入り込み、暗がりへ。
壁に押しやり、彼が逃げないように両手を壁に付いた。
それだけで、君は驚いている。

「何て初なんだろうね…?」
「なっ何だ…っ」
「普通、此処まで来たら危機感を持つものなんだがね…」

此処は、知る人は知る穴場。
入った時に雰囲気が変わるんだ、察していないわけではないだろう…?

「…何がしたい」
「言っただろう?」
「……で、でーと…?」
「あぁ、そうだ」

デート、という言葉に君は赤くなる。
本当に初で可愛い。
何時までも、こんな所にはいられないね?
此処は、野蛮だから。

「イエスか、ノーか…どっちかな?」

気付いてはいるはずだよ?
邪険な視線、悍ましい程の鼻息。
全て、君を狙っているんだ。
救世主となるのは、僕だけだ。

「ぃ、く…」
「良く出来ました♪じゃあ、軽く食事に行こうか」
「あぁ…ι」

僕は上機嫌に、刹那の手を引いた。
強引にではなく、優しく。




ホテルに行く前に、君に会えて嬉しいよ刹那。
だから、僕はその気持ちを形に表そうと思う。







 

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