現在のトレーニングについて
 <冬季練習でボールを投げず、ランニングなどが中心である理由>
@「キャッチボール中の筋温度維持が難しいため」
 冬場の練習は外気温が低いため、アップをしてもすぐに体が冷えてしまい、筋温度の維持がなかなかできません。筋温度が下がってしまうと、筋肉が伸び縮みする速さが遅くなったり、伸び縮みする範囲が小さくなったりします。
 このような筋温度が低下した状態で、ボールを投げるなど一瞬で筋肉に力がかかるトレーニングをすると、「筋断裂」などを起こしたり、「野球ヒジ」「野球肩」の原因ともなります。生徒の将来のことを考えると、この時期にボールを投げることは適切ではないと考えます。
A「夏場では難しい練習ができる」「筋温度が維持できる練習である」
 現在行なっている「長距離走」「ダッシュ」「サーキットメニュー」などは、常に体を動かすメニューであるため、体温が常に高い状態を維持します。寒い冬場では、野球のように動かない時間が続くスポーツではすぐに筋温度が低下します。そのため、動きを継続しながら、鍛える箇所を移動することで筋温度を維持でき、筋肉にも負担をかけにくいものとなっています。
 またこのメニューを夏場に取り入れると、体温が上がりすぎ「熱射病」などの心配があります。更に夏場は、ボールを扱う練習に重点をおき、筋力アップ、持久力アップなどをする時間がほぼ持てません。したがって、この冬場に行なうには最適だと考えています。
B「筋力アップが良いプレーを生み、ケガを未然に防ぐ」
 運動(野球)をするときに、必要な筋力が備わっていなければ、危険が伴います。したがって、しっかりしたプレーができる筋力を身につける必要があります。そして、適度な筋肉がついた体でこそ、より良いプレーが生み出されます。
 また腕力や肩の筋肉があることによって、「野球ヒジ」「野球肩」になることを少しでも防ぐ効果が期待できます。

以上のことをふまえ、冬季の練習で伸ばし、身につけたい能力は次の4つです。
「筋力」「持久力」「敏捷性(反射神経)」「基礎技術」
「筋力」(腕立て・腹筋・背筋・鉄棒ぶら下がりなど)については、先ほども触れましたが、より良いプレーを生み出すための筋肉をつけることになります。中学時代は、体が出来上がるまではあまり筋肉がつきませんが、運動に必要な筋肉はついていきます。この時期に1年間戦える筋力をつけます。
「持久力」(長距離走・ダッシュなど)については、下半身強化によって、安定したプレーを目指すということもありますが、一番は中学時代の体で伸びやすい能力である「循環機能」「呼吸」「血液の流れ」を鍛えることを目的としています。
「敏捷性(反射神経)」(反射など)については、中学時代に伸ばしやすい能力です。目の前の事柄を一瞬で判断し、より早くそれに応じた行動ができることを目指していきます。
「基礎技術」(ティー・素振り・バント・アメリカンノック・平均台スローイングなど)については、何事も「基礎」があってはじめて良いプレーが生まれます。また、ボールを使う時期に向けて少しずつボールに慣れていくことも目的です。しっかり取り組みましょう。

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