□Thanks a lot
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彼は深々とため息をつくと、部屋の真ん中にある応接用のソファに座る。
私は勝手に棚を漁りコーヒーを2つ淹れた。

「中身は何だよ」
「あ、開けてええよ。出して困るようなものは入っとらんし」

数秒の沈黙の後、がさがさと音が聞こえてきた。
背中を向けているので分からないが、おそらく包みを開いているのだろう。

「かわええやろ」

自分のカップに口をつけながら、火村の前にコーヒーを置く。
火村は出てきた品物を指差し、不思議そうな顔で私を見た。

「サボテンか?」
「そう」
「変わった形だな」

植木鉢に鎮座したサボテンは、とげとげの長いコンペイトウのような形をしている。
キンセイという名前のそれは、綺麗な黄色い花が咲くのだという。

「お前が何でもないときにプレゼントなんて、どういう風の吹き回しだ?」

探るように投げられた視線を、まぁまぁ、とへらりと笑ってはぐらかす。

確かに、何かイベントがあるわけではない。
そういう意味でのものではなく、かなり個人的な理由でのプレゼントなのだ。
…出来れば、あまり話したくないほどに個人的な理由の。
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