present
□朝倉様より
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無口で笑うことなんて滅多にないから、初めて見たときは怖い人だと思った。
きっと僕がぽとり、と彼の機嫌を損ねるような事を言った日には
想像もできない最悪の事態が起きたりなんてしそうだったから、
接するときはなるべく”地雷”を踏まないように気をつけていたのだけれども
実際はそんな人ではなかった、そう知ってから僕はやっぱりそうだったんだ、と変にその事実に頷いた。
…――元々そう、どうしても暴力を振るうような人には見えなかったから。
(プレッシャーというのかなぁ、人を近づけさせないようなオーラを纏っていたから、
だから第一印象が良くなかったのかもしれない。)
優しい人だと知った今では、彼の一つ一つの行動がとても美しい純粋なものに思えて、愛しく感じてしまう。
出会った最初の頃は、ただ怖くて怯えながら従っていただけだった、けれども今は胸を張って彼に従えます。
くいっ、と僕の手を強く引いていくのは、僕が迷わないように導くため。
そして、力強い腕で包み込んでくれるのは、僕を守るためなんですよね。
自意識過剰と笑われてしまうかもしれません、
でも僕にはそう考えさせていてください。
それが僕にとっての幸せなのですから。
(推測でしか貴方からの愛を感じられない。
僕には貴方が相変わらず何を考えているのかがわかりません。)
一度、一度でいいですから。
貴方の”本心”を聞きたいです。
(……嬉しい時に笑ってくれるだけでも、僕は助かるのにな。)
そう、高望みはしません。
笑ってくれるだけでも、それだけでもいいのですから。
世界はそんな願いだけで実現するようにはできていない、
そのくらいわかっています。
でも僕はひたすらこうして想って、願うことしかできない。
”愛は、どこにありますか?”
(世界は不条理の集大成)
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