present
□くるみ様より
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今日は久しぶりにイギリスのやろーと遊ぶですよ。きっと1人寂しく居るに決まってるですからね。
「イギリスー、遊んでやるですよー。」
いきなり入って行った僕に目も向けず、書類に目を通すイギリスのやろー。
もうちょっと驚くかと思ったのに、つまらない奴ですよ。
「ん、なんだよ、お前か。ほら、これやるから、遊んでこい。」
目の前に差し出されたのはプラスチックの小さな容器。
「何なんですよ、これ。」
「日本にもらった。『しゃぼんだま』とかいうらしいぞ。」
そういえば最近、友達が出来たとか聞いてたですけど、本当だったなんて、びっくりですよー。
「イギリスも一緒に来るですよ!」
そう言って強制的に腕を引っ張った。
「あっ、おい、お前っ!待てって!!」
―――
「馬鹿、お前いきなり引っ張ったら危ねーだろ!」
外に着くなり怒鳴るイギリスのやろー。
これのどこが紳士なんですかー。
「良いから遊び方教えるですよ!」
「ったく…しょーがねーな…良いか?この管を液に浸して、口にくわえて、息を吐くんだ。」
そう言ってやってみせるイギリス。
ふわふわと、透明な球体が空に浮く。
光を受けて虹色を映すそれは、とても綺麗だった。
「お前もやってみろ。」
「絶対、イギリスより大きいのつくってやるですよー!」
「お前が俺を超えるなんて出来るわけないだろ。」
「馬鹿にするんじゃないですよー!!」
イギリス、空、しゃぼん玉
―その日のイギリスの庭では、賑やかな声と、空に浮かびゆく無数のしゃぼん玉が絶えなかったという。